中村美律子

男は一途に　夢を漕(こ)ぎ
女は優しく　舵(かじ)を取る

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縁(えにし)の糸に　この手をひかれ
心を結んだ　夫婦です

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酒場どおりに　そぼ降る雨は
お前の涙か　懺悔(ざんげ)の粒か

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細い暮らしに　灯(あ)かりをともし
こころ寄せ合う　酒がある

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未練心は　涙で流す
恋の傷あと　お酒でふさぐ

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よしておくれよ　藪(やぶ)から棒に
実家(さと)へ帰れと　戯言(ざれごと)は

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生きてナンボの　この世やないの
何もなくても　わたしがいるわ

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鬼の背中が　陽だまりの中
コクリ　コクリと　舟を漕(こ)ぐ

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道中双六(どうちゅうすごろく)　江戸振り出しに
日光街道の　杉木立(すぎこだち)

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小松五郎の　刃(やいば)にかけて
ゆがむ世間を　叩(たた)っきる

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